七宝は、素地に釉薬を焼き付けて装飾する技法で、釉薬の種類によってさまざまな発色をするのが特徴です。七宝の発祥は古代ペルシャやエジプトに溯ると言われ、日本には飛鳥時代・7世紀に伝えられ、その後江戸後期には日本独自の七宝技術がほぼ完成しました。
 明治初期に入り、京都ではドイツ人化学者ワグネルの指導により、透明釉薬を用いた七宝が生まれました。職人の繊細華麗な技巧に、透明釉薬の輝きを得た七宝は、国の内外を問わず高い評価を受けるに至りました。


 

 

すべての工程が熟練の技術が必要な手作業で作られます。

(1) 銅板で七宝の生地を作る。
(2) 模様の下絵を書き、(1)の生地に写す。
(3) 銀または真鍮線を下絵に沿って曲げ、模様の色別に隔壁を作る。
(4) 隔壁によって区切られた部屋に、それぞれの色のガラス釉薬を挿していく。
(5) 850℃に熱した炉に入れて釉薬を生地に焼き付ける。彩色しては焼き、これを3回繰り返す。
(6) 何種類ものと石を使い、荒研ぎから仕上げ研ぎへと、丁寧に七宝の表面を研磨して完成。


(1) (2) (3)
(4) (5) (6)

 

 

当社は明治22年、錦雲軒稲葉七宝商店として創業し、繊細な技の光る「京七宝」を手がけて参りました。明治33年には、パリの万国博覧会にて出展作品が銀盃を受賞、翌年にはベルギー皇室御用達に任命されるなど、海外には早くから高い評価を受け、愛好家の間で「稲葉クロワゾネ(Cloisonne=七宝)」として親しまれました。
現在も創業地、京都・三条白川に当時の面影を残すたたずまいの窯元として、京七宝の奥深い魅力を世に伝えております。




錦雲軒 稲葉七宝
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